日々の練習内容
作務&準備運動
脚下照顧&作務
各拳士は道場に入る際に脚下照顧といって、自分の靴を揃えて入ります。
また。各拳士は練習前に、お世話になる道場に感謝の意味を込めて作務(掃除)を行います。
準備運動
主に肩・背中・下半身のストレッチを中心に行います。少林寺拳法の剛法は、突き技で背中の筋肉を、蹴り技で足の筋肉を使うため、この二点のストレッチは特に重視しています。ストレッチ運動による緊張と緩和によって、身体のバランスを整える事を意識し、インナーマッスルも鍛えることが出来ます。
ストレッチが終わった後、筋トレを兼ねて大きな気合とともに開足中段構えから屈伸して突き蹴り(屈伸突き蹴り)を行います。

基本技術の練習
基本技術とは、「突き蹴り」の基本をベースに、相対で行う技に近づけた技術のことを言います。この基本技術の練習では、開足中段構えからの「上段振子突き・蹴上げ・中段蹴り込み」、「足刀蹴り・廻し蹴り・後ろ蹴り」といった攻撃の基本技から、「内受・上受・下受・外受・打上受・外押受・内押受」や「振り身・反り身・引き身」といった攻撃をかわす技術の練習も行います。
また、柔法の投げ技において怪我をしないための「受け身」の練習や、基本技術で学んだ技術を運歩を用いて移動しながら行う「移動基本」の練習もここで行います。
基本技術で学ぶことは、法形と呼ばれる二人一組で行う技術の土台となっているため、法形(相対で行う技術)の上達には、この基本技術のしっかりとした練習が欠かせません。

鎮魂行
鎮魂行は、自分自身の行いを振り返るとともに、少林寺拳法の教えを実践することをあらためて意識するためのものです。座禅を組み黙想し、気合を入れ、大きな声を出すことで、心と体のバランスをとり、さらに向上心、集中力、忍耐力などを養っていきます。
鎮魂行で唱える「聖句」、「誓願」、「礼拝詞」、「道訓」、「信条」は、少林寺拳法の教えが詰まっています。練習毎に全員で唱えることにより、少林寺拳法の教えを確認し、自分自身を振り返り、日々の生活に活かすことを目指します。
「聖句」:己こそ己の寄るべ、己をおきて誰に寄るべぞ、よく整えし己こそ、まこと得がたき寄るべなり

相対練習(剛法&柔法)
少林寺拳法の修練は、二人一組で練習を行う「組手主体」が特徴の一つとなっており、相対練習はこの組手主体を中心に行います。基本技術で勉強したことを、この相対練習を通じて始めて法形(技)としてステップアップさせることができます。
剛法を中心とした相対練習では、胴をつけて法形(技)の練習を行います。実際に突きや蹴りを当てる練習を行うため、少林寺拳法の技術が実戦にも役立つ技術である事がよく分かります。
柔法の相対練習では、手首や腕、袖などを掴まれた際に、鉤手と呼ばれる守法を行い、抜き技や逆技を練習します。人によって関節が柔らかい硬いがあるので、できるだけ沢山の人と練習することが上達につながります。

学科&法話
少林寺拳法は単なる拳法の技術を教える場ではありません。少林寺拳法の目的は「頼りになる自分をつくり、人の役に立てる人間になる」ことですから、「本当の強さ」とは何かについての理解を深める必要があります。こういった少林寺拳法の「理念」を学ぶ場が、「学科」の勉強になります。
少林寺拳法の「学科」は、拳法の技術的な事から、豊かな人生をにするための「心のありよう」についてや、世の中の詐欺的行為に騙されないようにするための術について勉強します。社会人の方が、リーダーとして会社で活躍するために必要な事を学ぶ機会としても、少林寺拳法の「学科」の勉強は大変役に立ちます。
また、法話として、日々の練習の合間に道院長や役員、各拳士から、時事の事柄や少林寺拳法の教えについて話す機会を設けています。法話を行う拳士は、少林寺拳法の教えや社会情勢の勉強を行い、自分自身の考えをまとめ人前で話すことにより、自己確立の修練につなげています。

資格別による科目練習
資格とは、初段二段三段といった資格の事で、少林寺拳法は決められたカリキュラムにそって、決められた法形(技)を決められた修行期間と日数練習することで、昇級・昇段試験を受ける資格を得ることが出来ます。この昇級・昇段試験に合格することで、次のステップに進み、新しい法形(技)の練習を行う事が出来ます。
少林寺拳法の法形(技)は大変数多くあり、資格が上がるごとにその技も増え、より実戦的で効果的なものへと変わっていきます。
日々の練習においては、練習の後半に自分の資格にあった法形(技)の練習を行います。ここでは、資格別に指導員による法形(技)の解説が行われ、その法形(技)の練習を行った後、個々の進み具合に合わせて、一人一人個別に法形(技)の練習を行います

特別な練習内容
少林寺拳法は護身術です。いざという時に自分自身の身は自分で守らなければなりません。基本技術や法形で習得した技術をいざという時に使えるものでありたいものです。その練習方法として運用法があります。運用法は、突き・蹴り受けを中心とした剛法と、手や腕を掴まれた時に対処する抜き・逆・投げ・固めを中心とした柔法があります。2人1組となって、各々のレベルに合わせて、防具を着用して安全に修練をします。
運用法
「運用法」とは、少林寺拳法の法形(技)をより実戦的に用いるための練習で、胴だけでなく顔面を守るフェイスガードと、金的を守るファールカップを身につけ、技の取り決めを行わず、一定のルールの下で自由に攻防を行う練習になります。
攻者・守者の区分けは行いますが、それ以外については特に限定がない攻防を行うため、攻撃する方も守る方も日々の練習の中で学んだ技術をフルに発揮することが出来ます。
自由な攻防を行うだけに、運用法の練習は普段の稽古とは異なりハードなものとなります。そのため、運用法は若い拳士を中心に行います。
運用法の練習は、剛法だけではなく柔法も行います。攻者が、手を握るのか袖を握るのか、引っ張るのか押してくるのか分からないため、守者は攻者が仕掛けた瞬間に反応できる技術を身につける事が出来ます。
「運用法」の練習については、指導者のきちんとした管理の下、安全に行う必要があるため、日々の稽古の中で自由に行う事は認めていません。「運用法」を行うときは、指導者の指示があった場合にのみ行う事を原則としています。
